実はバンドに必須!キーボードの役割と活躍する方法

バンドを始めるとき、まず最初に悩むのが、「どの楽器を演奏しよう!?」ということ。

 

キーボードは、ピアノ経験者にとって1番取っつきやすいパートです。

しかしその一方で、ボーカルやギターに比べて、ややインパクトに欠けるパートでもあります。

バンドを組む人の中には、「キーボードって、ぶっちゃけいらなくね?」なんてことを言う人も。

ひ、ひどい…!

 

確かに、キーボードなしのバンドは、世の中にたくさんあります。

しかし、だからといって「キーボードってなんか目立たなそうだし、何したらいいかわからないから、辞めておこうかな…」と思う必要はありません。

 

実は、キーボードはバンド内でとても重要な「ある役割」を背負っているのです。

この記事では、実際にバンドでキーボードを担当している私が、バンド内におけるキーボードの重要な「ある役割」と、キーボードで活躍する方法についてお伝えします。

キーボードの役割をバッチリ理解して、色んなバンドから「ウチにも入ってよ!」と声がかかるキーボーディストを目指しましょう!

 

バンド内でのキーボードの役割は、演奏の「物足りなさ、ショボさ」を埋めること!

 

演奏のスキマを埋めて、バンドを豪華に見せること。

これがキーボードの役割です。

 

初心者同士で組むバンドや、ギターが1人しかいないバンドは、どうしても演奏がスカスカしてしまいがち。

スカスカした演奏は、聴く人に「素人っぽい、ショボい」という印象を与えます。

演奏のスキマをキーボードが埋めることによって、バンドの演奏を1ランク上の豪華なものに変身させることができるのです。

 

つまり、あなたの頑張り次第で、周りから一目置かれるバンドになるということ。

これって、かなり嬉しいことですよね。

 

演奏のスキマを埋めるキーボードの弾き方

続いて、私が実際にバンド内でやっている「演奏のスキマを埋めるキーボードの弾き方」を2つ紹介します。

方法1.原曲に入っているパートの音色をキーボードで再現する

あなたが好きなバンドの「原曲(ライブ映像ではなく公式PVなど)」を、じっくりと聴いてみてください。

きっと、「ギター・ベース・ドラム」以外の音色が入っているはずです(ハードロックやヘヴィメタルの場合は、入ってない曲があるかもしれませんが…)。

 

ピアノ、オルガン、トランペット、サックスなどなど…。

色々な曲を聴き比べていくと、さまざまな楽器の音が聴こえてきます。

何の楽器の音色か当てられなくても、「ん?なんか『ファァァアア~ン』って音が入ってる!」とわかれば十分です(笑)

 

練習がてら、今ここで実際に曲を聴いて、楽器の音を聴き分けてみましょう。

例えば、米津玄師さんの大ヒット曲、『Lemon』の場合。

 

 

歌い出しは、ピアノの音で和音を押さえています。

29秒「もどら~ない~♪」のあたりで、ストリングス(弦楽器)の音が入ってきます。

50秒「きっともうこれ以上~♪」のあたりで、ピアノと手拍子の音。

その後もラストにかけて、ストリングスの迫力ある演奏が続きます。

 


 

どうですか?

こうしてじっくり聴いてみると、演奏の中に色々な楽器の音が入っているのがよくわかりますね。

この「原曲に入っている音」をキーボードで再現すると、すごく「それっぽい演奏」になります。

バンドのメンバーも、バンドの演奏を聴く人も、「本物みたーい!」と、きっとびっくりするはずです。

あなたが使うキーボードに内蔵されている音色と原曲を聴き比べて、原曲に1番近いものを探してくださいね。

 

方法2.メリハリをつけた「コード弾き」で、演奏の厚みをUP!

原曲の世界が再現できるキーボード演奏を身に付けても、また別の問題が出てきます。

それは、「ギターとベースとドラム以外の音が入ってない曲」を演奏する場合。

原曲にキーボードやその他の楽器のパートがなければ、バンドスコア(楽譜)にはもちろん何も書いていないし、耳コピ(耳で聴いた音を演奏すること)も無理です。

 

そんな時、バンド初心者におすすめしたいのが、「コード」を押さえること。

「コード」とは、複数の音の組み合わせ(和音)に付けられた、アルファベットのグループ名のことです。

 

 

ギターを弾く人にとっては馴染みがあるこの「コード」。

楽譜を音符で読むことに慣れているピアノ経験者にはややこしく感じるかもしれませんが、一度覚えてしまうととても便利です。

 

※コードの覚え方は、画像や動画を使って解説したこちらの記事が参考になります。

ピアノコードの簡単な覚え方と練習法【解説画像・動画付き】

 

しかしこの「コード弾き」、ただずーっとコードを押さえていただけでは、のっぺりとしたイマイチな演奏にしかなりません。

「メリハリ」を意識して演奏するようにしましょう。

 

例えば、ギターがコードを弾いているとき。

この場合は、キーボードでまったく同じ音を出してもかき消されてしまうため、あまり意味がありません。

1オクターブ上か下の音で、片手で軽くコードを押さえましょう。

 

続いて、ギターソロなどに入って伴奏が手薄になったとき。

コードを押さえる2人目のギターがいなければ、それまでギターが弾いていたコードをあなたが受け継ぐ形で弾きましょう。

このとき、左手ではベースの音を押さえるなど、両手を使って演奏すると、より厚みのある演奏になります。

 

また、キーボードでコードを押さえる場合、音色選びも重要なポイントです。

曲のテンポやジャンルに合った音色を選んで、演奏の世界観を壊さないように注意しましょう。

ちなみに、アップテンポな曲ならピアノやオルガンの音色、ゆったりした曲ならエレクトリックピアノ(通称「エレピ」、キーボードの音色一覧では「EP」などと表記されます)やストリングスの音色がおすすめです。

 

キーボードがバンド内で活躍する方法

キーボードの役割と演奏の仕方がわかったところで、続いては、キーボードで活躍する方法についてお話しします。

まずはコード譜を読めるようにしておこう!

コード譜とは、アルファベットのコードだけが書いてある楽譜のことです。

「コード譜が読める」というのは、バンドをやるうえで必要不可欠なスキルだと、私は日々痛感しています。

 

例えば、誰かが「この曲やろうよ!」と言ったものの、市販のバンドスコアが見つからなかったとき。

こんなときどうするかというと、コード譜をネットで探してきて、そのコード譜をもとに練習するのです。

コード譜が読めないと、「自力で耳コピして五線譜に書き起こす」というかなり難易度の高いことをしなければなりません。

 

さらに、たまにあるのが「ボーカルの声が出ないから、ちょっとキーを下げたい」というとき。

こんなとき、五線譜の楽譜を頼りに演奏していると、修正するのにかなり手間がかかります。

でもコード譜なら、ササッとアルファベットを書き換えるだけでいいので、五線譜と比べて修正の手間がかなり少ないのです。

さらに、コードを入力するだけでキーを簡単に変換できる、こんな便利なサイトもあります。

↓ ↓ ↓

『ギターコード キー変換』

 


 

キーボード以外の楽器を担当する人は、五線譜をあまり読めない場合がほとんど。

コード譜しか読めないメンバーと、五線譜しか読めないあなたがコミュニケーションを取るのは、なかなか難しいです。

違う言語を話す人同士で意思疎通ができないのと一緒ですね。

逆に、コードに理解のあるキーボードがいると、その他のメンバーは非常にやりやすいです。

演奏についての話し合いがスムーズにできるので、バンド全体に一体感が生まれます。

バンドの一員として活躍するために、コードの読み方と押さえ方は、しっかり学んでおくことをおすすめします。

 

キーボードを弾きながらコーラスもできるようになると最強!

 

コードを弾くのに慣れてきたらぜひ挑戦してほしいのが、「キーボードを弾きながら歌うこと」。

つまり、弾き語りです。

あなたがメインボーカルをやってもいいですが、すでにボーカルがいる場合は、コーラスを担当しましょう。

 

「コーラスなんてバンドに必要~?」と思うかもしれませんが、プロのミュージシャンでも、ライブではコーラス専門のシンガーを呼んだりしていますよね。

ギターやベースといった電子楽器の伴奏と対抗するのに、ボーカル1人では太刀打ちできない曲もあります。

歌えるメンバーは、バンド内に1人でも多くいた方がいいのです。

 

ちなみに、とっさに歌えるメンバーがいると、ボーカルが歌詞を忘れたり声が出なくなったときに大活躍します。

私のバンドのボーカルはよく歌詞を忘れるので、そんなときはピンチヒッターとして私が歌うのです(笑)

キーボードで演奏の厚みを出すだけでなく、コーラスで歌にも厚みを出せるようになると、バンド内であなたの存在はいよいよ大きなものになってきます。

ぜひ、「弾けて歌える」キーボーディストになってください!

 

目指すは「バンドのスーパーお助けマン(ウーマン)」!

 

キーボードというパートは、バンドの中で目立たないようにしようと思えば、いくらでも目立たなくすることができます。

ベースやドラムのように、途中で演奏をやめてしまっても、大惨事にはなりません。

そのため、自分から活躍しようと思わないと「いた方がいいけど、いなくてもいい存在」になってしまうパートでもあります。

これって、すごく悲しいことですよね。

せっかくバンドをやるのですから、目指すは、バンド内にいなくてはならない存在!

「バンドのスーパーお助けマン(ウーマン)」を目指してみてはいかがでしょうか。

 

原曲の世界観を忠実に再現できる。

バンドの演奏を華やかに演出することができる。

いざというときはボーカルやギターのピンチヒッターになれる。

 

こんなキーボーディストがいたら、他のバンドメンバーたちも心強いはずです。

ぜひ、この記事でお伝えしたことを実践して、素敵なキーボーディストになってくださいね。

あなたのバンド活動を、応援しています!