ガッツリ稼ぎたい大学生に読んでほしい、リゾートバイト体験談

「夏休みを利用して、アルバイトでガッツリ稼ぎたい!」

「リゾートバイトに興味があるけど、なんかちょっと怖い…。」

そんなあなたに、私が実際に体験したリゾートバイトの話をお聞かせしましょう。

 


 

はじめまして!Webライターの 長 ひかり(ちょう ひかり)と申します。

私は現在、フリーのWebライターとして活動していますが、学生時代は色々なアルバイトに挑戦してきました。

 

この記事では、私が大学生の頃体験した、1カ月間のリゾートバイトについてお話しします。

リゾートバイトを体験して良かったことや辛かったことなど、リアルな実態を知ることができます。

これからリゾートバイトに挑戦しようと思っているあなたにとって、少しでも参考になれば嬉しいです。

 

大学の夏休みにリゾートバイトを始めようと思ったきっかけ

今から8年前のこと。

当時大学生3年生だった私は、周りの友達が次々と運転免許を取っているのに、焦りを感じていました。

「社会人になったら、教習所に通うヒマがなくなるから、免許は学生のうちに撮っておいた方がいいよ~」と友達に言われたものの、教習所へ行くには、少なくとも20万円はかかります。

 

週3日のゆる~いアルバイトしかしていなかった私の貯金額は、ほぼゼロ。

とても教習所に通うお金はありません。

 

そこで、求人サイトで「短期でガッツリ稼げるバイト」を探しみることに。

すると、「リゾートバイト」という聞きなれないワードを発見!

どうやら、観光地の宿泊施設やレジャー施設に行って、住み込みで働き、お金がもらえるというバイトらしい。

 

求人サイトの写真を見てみると、若い男女のグループが、海や山をバックに満面の笑みを浮かべています。

 

 

いわゆる「コミュ障」の私は、この写真にちょっとひるみつつも、未知の世界に飛び込んでみたくなりました。

 

特に私の心を惹きつけたのは「住み込み」というところ。

両親の夫婦ゲンカに巻き込まれ、実家の居心地の悪さが最高潮だった私にとって、住み込みというのは最高の条件でした。

「ええい、どんなきつい仕事でも、実家にいるよりはマシじゃい!」と心の中で叫んだ私は、雰囲気が良さげだった群馬県の温泉施設の「応募ボタン」をポチっと押したのです。

 

即採用!だがしかし、勤務地が選べなかった…

応募から数日後、派遣会社から携帯に電話がかかってきました。

担当者のおじさんが言うには、どうやら応募した群馬県の温泉施設は、募集人数に達してしまったため働けないらしい。

そのかわり、他県のリゾートホテルに空きがあるんだけど、どうですか?とのこと。

特に勤務地にこだわりがなかった私は「あ、じゃあそれでお願いします」と承諾しました。

 

当時は深く考えていませんでしたが、求人サイトで募集しているようなリゾートバイトは、宿泊施設に直接雇われるわけではなく、人材派遣会社によって「派遣される」という形のようです。

当日までに髪の毛を黒染めしておくこと、現地には高速バスに乗って行くことなど、注意事項の説明があり、電話は終了。

 

その後、しばらくして詳しい書類が郵送でやってきました。

「なんか、意外とルールがあってめんどくさいな…」と思いつつ、資料に目を通したり書類にサインをしたのを覚えています。

 

いざ現地へ!旅行気分でテンションが上がる

いよいよ当日。

指定された高速バスに乗り込み、車窓からの景色が都会から田舎へと変わっていくのをぼんやり眺めていたら、なんだか1人旅にでも出ている気分。

 

 

高速バスを降りると、派遣会社の職員さんが車で迎えに来てくれていて、そのままリゾートホテルへと移動します。

移動中、「このへんは1番近くのコンビニでも徒歩30分ありますからね~」と言われて、カルチャーショックを受ける東京育ちの私。

 


 

寮に到着すると、食堂で今後についての打ち合わせ。

制服やシフト表、部屋のカギを渡され、寮の使い方について説明を受けます。

「今日は移動で疲れているだろうから、実際に働くのは明日からです」と言われ、まさかの午後は自由時間に。

 

とりあえず荷物を置きに部屋へ向かうと、すでに何人か分の荷物が置いてありました。

そう、個室は有料だったので、1部屋4人の「相部屋」を選択したのです。

用意されていた部屋は6畳ほどのスッキリした和室で、お風呂とトイレが別々についており、寝具もキレイ。

1カ月暮らすには問題のない部屋でしたが、1番の不安要素は部屋ではなく、「同居人がどんな人か」です。

 

(同居人と気が合わなかったらどうしよう…)

(パリピだったらどうしよう…)

 

夜には戻ってくるであろう同居人の顔を勝手に想像して、不安になる私。

部屋でちょっと休憩して気を取り直し、せっかくなので周辺を散策することにしました。

田舎道をのんびり歩いて、たまたま見つけたお土産屋さんでソフトクリームを食べ、気分はすっかり観光客。

「あ~、なんか私、1人で遠くに働きに来てるわ~大人だわ~」と、よくわからない悦に浸りながら味わったソフトクリームは、最高に美味しかったです。

 


 

さて、夜になり部屋に戻ると、その日の仕事を終えた同室の女の子2人組が、仲良くおしゃべりしていました。

私を見るなり「あ、今日から入る人ですよね!」と、人懐っこい笑顔を向け、話しかけてくれました。

彼女たちは私より2つ年下の19歳。

観光の専門学校に通っていて、実習としてここに来たらしく、他の部屋にも同じ学校の子がたくさんいるんだとか。

4人目の同居人は、今月入居予定で、まだ来ていないようでした。

同居人が良い子だったことにかなりホッとした私は、「明日からよろしく!」と笑顔で答え、眠りについたのです。

 

ドキドキの初勤務!リゾートバイトの朝は早い

翌朝、ついに初出勤の日がやってきました。

当然ながら、ホテルのお客さんが起きて来る前に出勤しなければならないので、朝は6時起き。

朝食は出ないため、寮の自販機で売っているカロリーメイトを食べ、制服に着替えたらいざ出勤!

同室の2人はすでに何週間か働いていたようで、慣れた様子で身支度を整え、私を勤務場所まで案内してくれました。

 

私が配属されたのは、「バイキング会場」。

 

 

朝食と夕食の1日2回行われるバイキングで、料理を運んだりお客さんを案内するのが主な仕事だと、昨日の打ち合わせで聞いていました。

社員さんに指示され、私が勤務初日に任されたのは、「コーンポタージュ係」。

その名の通り、朝食の人気メニューであるコーンポタージュを注いでお客さんに渡す係です(笑)

 

「難しい仕事じゃなくてよかった~」と安心したのもつかの間、お客さんが入ってきたと同時に、コーンポタージュの待ち列が…。

某ファストフード店のアルバイトで鍛えた営業スマイルを浮かべ、コーンポタージュをせっせと注ぐ私。

しかし、いくら注いでも、コーンポタージュの待ち列は解消されません。

どうやら、コーンポタージュを愛する子供たちが、おかわりをしに何度も並び直しているようです。

ホテルのコーンポタージュって、美味しいですもんね…。

 

ちなみにこの「コーンポタージュ係」、1カ月間毎日私の担当でした。

おそらく、「短期のバイトに色々覚えさせてもねぇ…」という現場の事情だったのでしょう。

失敗したり怒られることはなかったものの、終盤は完全に飽きてしまい、かなり苦痛でした…。

 


 

結局2時間ほどコーンポタージュを注ぎ続け、バイキング終了の時間がやってきました。

お客さんが去った後は、スタッフ全員で会場にあるすべてのものを撤収します。

夜のバイキングの準備をしておくのです。

 

このとき、私は「ホテルの皿の重さ」に驚愕します。

何のへんてつもない平皿が、とにかくめちゃくちゃ重いんです。

そのめちゃくちゃ重い皿を、持てる限界まで重ねて、別の場所に運んでいくんです。

すでに2時間コーンポタージュを注ぎ続けた私の腕は、バイト初日にして鈍い痛みが生じていました。

 

休憩をはさんで夜の勤務!リゾートバイトの夜は遅い

朝の仕事が終わると、夜のバイキングが始まるまで、5時間くらいの長ーい休憩時間があります。

寮に戻って昼食を食べ、残った時間は部屋で過ごします。

同室の2人は仕事に慣れているせいか、はたまた若さのおかげか、休憩中もキャッキャと楽しそうにおしゃべり。

一方私は、慣れない仕事でグッタリ…。

制服のまま布団に横たわり、楽しそうにはしゃぐ2人を眺めていました。

 

やっと夜の出勤の時間になり、体を起こすと、なんだかだるい…。

長すぎる休憩時間のせいで、体が「おやすみモード」になってしまったようです。

それでもフラフラとバイキング会場に向かい、社員さんに指示をもらいます。

社員さんから任命された夜の私の仕事は…。

まさかの「味噌汁係」。

 

そう、朝のコーンポタージュが味噌汁になっただけです。

痛み出した右腕をさらに酷使するうえに、単純作業なので、時間が過ぎるのがかなり遅いです。

そんなこんなで、初日はなんとか無事終了。

終礼でマネージャーの話を聞きながら、「これが…あと29日続くのか…」と、早くもウンザリしていました。

 

体が仕事に慣れるまでは、ただただ地獄

初日の勤務をなんとか終え、21時過ぎに寮へ帰宅した私。

同室の2人とかわりばんこでお風呂に入り、就寝。

 

しかし、しばらくすると、飛び起きるほどの激痛が右腕に走ります。

丸1日使い慣れていない筋肉を使っていたため、早くも腕が悲鳴をあげてしまったのです。

痛みで眠れず、シップや鎮痛剤を持っているわけもなく、寝ている2人を起こすわけにもいかず…。

一晩中痛みと闘っていたら、いつの間にか朝になっていました。

 

 

その後も腕の痛みはなかなか治まらず、1週間くらい満足に眠れない日々が続きました。

さらに、慣れない仕事や生活でストレスも徐々にたまってきたのか、食事も喉を通らなくなってきます。

 

その頃の私は、毎日「辛い…帰りたい…」しか考えていませんでした。

同じ部署の社員さんがアルバイト全員をカラオケに連れて行ってくれたときも、体調が悪いと言って断ってしまったほど。

そんな私の心を支えていたのは、一日の終わりに手帳に×印を付けること。

「よし、あと○○日で帰れる…!」と、心の中で唱えることで、なんとか正気を保っていたのです。

 

慣れてくると、楽しいことも出てくる

リゾートバイトを始めて1週間が経ったある日、私は腕の痛みがすっかり引いていることに気が付きます。

腕の痛みが引くと、夜もしっかり眠れるようになり、食欲もどんどん出てきました。

休憩中に同室の2人や別の部屋のアルバイト仲間とおしゃべりを楽しむ余裕が出てきて、大学生らしく好きな人の話なんかで盛り上がることも(笑)

このとき、私は悟りました。

 

どんな辛い状況でも、人間っていつかは慣れるんだな…!

 

 

ちょうどその頃、私たちの部屋に4人目の同居人がやってきます。

彼女は私より1つ年上の大学4年生で、来年からこのホテルに就職が決まっており、入社前の研修としてやってきた人でした。

本来、年下より年上と仲良くする方が得意だった私は彼女と意気投合し、仕事終わりに自販機で買ったビールを一緒に飲んだり、お互いの休みが重なる日は遊びに出かけることもありました。

入ったばかりの頃は地獄の日々だった生活も、徐々に「まぁ、きついけど悪くないかな」と思えるようになってきたのです。

 

人の優しさに触れた最終日

その後も単純作業に嫌気がさしたり、理不尽なお客さんに怒られたりしながらなんとか仕事を続け、ついに待ちに待った1カ月後がやってきました。

最終日の夜、「いよいよこの味噌汁係ともオサラバか…」と、なんだか感慨深い気持ちで味噌汁を注いでいると、私の前にマネージャーが現れました。

そして、「これあげる~」と言って、1枚の印刷用紙を手渡してきたのです。

不審に思いながら四つ折りにされたそれを開いてみると、それは宿泊したお客さんが書いたアンケートをコピーしたものでした。

アンケートには、お年寄りの震える文字で、こんなことが書いてありました。

 

『スタッフのひかりさんという方が、食事のときとても親切にしてくださって、嬉しかったです。こちらに来てよかったです。』

 

朝のバイキングのとき、私が食事を運ぶのを手伝ったお年寄り夫婦が書いてくれたものだと、私はすぐにわかりました。

 


 

数日前のこと。

いつものようにコーンポタージュをぼんやり注いでいた私は、杖を突いたお年寄りの夫婦がバイキングに並んでいるのを見つけました。

幸い人もそんなに並んでいなかったのでその場を離れ、トレーを両手で持てないお2人に代わって私が料理を取り、席まで運んだのです。

 


 

別に私自身は、特別なことをしたつもりはなかったのですが、お2人はとても嬉しく思ってくれていたとわかり、感激で胸がいっぱいになりました。

さらに、そのアンケートをわざわざコピーして私のもとに持ってきてくれるマネージャーの優しさが嬉しく、仕事中に少し涙ぐんでしまいました。

「辛いことや嫌なこともたくさんあったけれど、ここに来なければ経験できなかったことがたくさんあったなぁ」と、満ち足りた気持ちで帰りのバスに乗ったのを、今でもよく覚えています。

 

リゾートバイトの気になるお給料は…!?

さて、私がホテルで1カ月働いたお給料は、果たしていくらだったのでしょう。

宿泊費と光熱費込み、1日2食の食費を差し引いた額は、なんと…25万円!

 

学生のアルバイトにしては、かなり高額ですよね。

ちなみに、諸々差し引かれていない分、社員さんよりいいお給料だったようです。

そのうち20万円は教習所代に、5万円は就職活動用のスーツ代に消えましたけどね…(泣)

 

1カ月間のリゾートバイトを経験した私が、あなたに教えられること

さて、長々と語ってきましたが、これで私の話はおしまいです。

私の経験から、あなたにお伝えしたいことが3つあります。

①すべては運!「楽しい思い出づくり」は期待しないほうがいい

  • 仕事内容の大変さ
  • 一緒に働く人の人柄
  • お客さんの質
  • 生活面での待遇

リゾートバイトでは、これらすべてが、運次第です。

部屋にwi-fi-環境があるかどうかなど、ある程度事前に確認できることもありますが、基本的には行ってみないとわからないことばかり。

なので、「仲間とワイワイして青春の1ページ作るぞー♪」みたいな気持ちで行くと、夢が粉々に打ち砕かれてしまうかもしれません。

 

特に相部屋の場合は、同居人の良し悪しで、生活のしやすさがかなり違います。

私の場合、同室の子たちがとてもいい子だったので、仕事以外の時間がかなり楽しめましたが、あの3人がいなかったら…と思うと、ゾッとします。

 

ステキな男子との出会いも、あまり期待しない方がいいです。

ただ、私の同室の女の子は、イケメンスタッフとアルバイト期間中にお付き合いをスタートさせていたので、可能性はゼロではありません。

青春ですね…!

 

②「適応力」を鍛える修行だと割り切れば、なんとかなる

仕事がめちゃくちゃキツかったり、一緒に働く人と気が合わないなど、「ハズレ」の職場を選んでしまった場合は、とにかく「修行」だと思うことがポイントです。

 

どんなに辛くて逃げられない状況でも、30日間ガマンすれば、必ず終わりは来ます。

「いかに心身のストレスを少なくして、30日間乗り切るか」ということに集中しましょう。

私の場合は、とにかく体を動かすので、食事を2人前くらいモリモリ食べて体力を付けました。

さらに、立ち仕事やタイトな制服で疲労がたまるので、休憩時間になると楽な服装に着替え、夜の仕事に備えて2時間たっぷり昼寝をしていました。

適応力を高めると、自分の心身が徐々に超人に近づいていくのを感じて、妙な達成感を覚えます(笑)

 

③間違いなく、人生経験は積める

普通に生活していると、1カ月人と集団行動をすることってなかなかありません。

部活やサークルの合宿でも、せいぜい1週間以内ですよね。

大学を卒業した後なら、寮のある職場に就職でもしないかぎり、一生できない経験です。

そういった意味では、貴重な人生経験にはなるはずです。

そこで何か学ぶことがあれば、就職の面接や飲み会で話すときのネタにしてもいいかもしれませんね(笑)

 

人生で1度しかない大学生活、悔いのないように楽しんでください!

リゾートバイトに限らず、アルバイトは学生時代のうちにできる貴重な人生経験です。

私は学生時代に色々特殊なアルバイトをしてきたことが、今でもいい思い出ですし、たまに役に立つこともあります。

ワイングラスをピカピカに磨く方法とか、レジャー施設の空いている日を当てることとか(笑)

 

ただ、お金を貯めて友達と旅行に行ったり、欲しいものを手に入れたいのなら、やはりリゾートバイトがおすすめです。

ド田舎の地域を選べば、お金を無駄遣いする誘惑も少ないですしね。

学生時代の過ごし方は、その後の人生の充実度にも大きく影響してきます。

ぜひ、悔いのないよう、素敵な大学生活を過ごしてくださいね!

 

リゾートバイトの求人サイト一覧

私は「indeed」などの総合求人サイトを利用していましたが、今ではリゾートバイト専門の求人サイトがあります。

地域や条件などで細かく絞れるので、よかったら活用してください。